初めて事業用口座を開設する際に最適な金融機関とは

金融機関の選び方

事業開始後、初めて事業用口座を開設する際、どういう判断基準で金融機関を選べばよいのか、について解説します。

借入の予定の有無

金融機関の基本的な機能は、預金の受入れ、資金の貸付、定期積立の受入れ、手形割引、為替取引です。この内、資金の貸付については、貸倒リスクが高いため、各金融機関ごとに基準を設け厳重にリスク管理しています。

また、資産規模の大きな金融機関は融資実行件数はもちろん貸付金額も規模を重視するため、メガバンクでは「初回の融資金額は1億円~」といって1000万円以下の小型融資を断っているようです。一方、信用金庫は100万円~1億円以下の貸付金額を得意としています。

  • 口座開設してすぐに借入の予定があるのであれば、借入ができる金融機関を選びましょう。
  • 借入の予定がなく、売上げや支払いなどの決済用途であれば、決済手数料の安い金融機関を選びましょう。

屋号付き口座の必要性

個人事業主は、個人名のほかに、屋号といわれるビジネスネームでの口座を開設することができます。この際、各金融機関ごとに屋号の取り扱いに基準が異なります。国家資格はどの金融機関でも屋号付き(屋号+個人名)口座を作りやすい一方、メガバンクでは国家資格以外の屋号付きの口座は作りにくい傾向にあります。

  • 国家資格以外の屋号付き口座を作る場合は、信用金庫、信用組合に相談してみましょう。

立地

金融機関との取引の場所は、基本的に支店になります。遠い支店だと経営者も金融機関の営業マンも大変になるので、基本的に最寄りに支店がある金融機関から選ぶことになります。

  • メガバンクは、基本的に理由さえあれば、どの支店でも口座を開くことができます。
  • 信用金庫、信用組合は、経営者の居宅または事業実施場所のどちらかが営業エリアに入っている場合のみ口座を開くことができます。

オンライン

オンライン銀行は、インターネットを介して主に決済を行う銀行です。メガバンク、信用金庫、信用組合ともにインターネットバンキング機能を使用する場合は、インターネットバンキング利用料が請求されますが、オンライン銀行はオンライン利用料が必要ありません。24時間振込や残高確認ができるだけでなくほぼ全ての手数料が安いという特徴があり決済口座としての利用に優れています。